「現場の知恵」を蓄積・活用する「考動知図」

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構造化

「考える」ことの「3つの力」の関係

図解:「考える」ことの「3つの力」の関係

「考える」を辞書で調べると
  ・情報を集める
  ・情報を作る
の2つの機能があります。

詳細は
http://www.teoria.jp/?p=3036

●情報を読取る力

 情報の真偽を確認しながら「情報を集める」力です。

 必要なことは視点を移動して、問いを立てるのです。
  ・ここは、どうなっているのか?
  ・あそこは、どうなっていのる?
  ・○○は、どうなっているのか?
 と、どんどん位置を移動し「問う」ことです。

 効率的に視点を移動するためには
 物事を構造で理解していることです。
 
 構造で理解していると
 手持ちの少ない情報を構造で理解して
 抜けている情報、矛盾のある情報を見つけることができます。
 ここを質問する、探していくことができます。

 思いつきで質問していては相手に見透かされます。

 しっかりと効率的に質問するためには
 物事を構造で理解していることが必要です。

 例えば、
  ・一人ブレストする
  ・裏紙に向かって箇条書きをたくさん書く
  ・曼荼羅の空白に書き出す
 ことを使って、相手や自分に質問するとしても
 何を質問するかのガイドにはなりません。

 経験を積むことで、だんだんできるようになるだけです。

●情報を組立てる力

 主張を論理で表現し「情報を作る」力です。

 物事を構造で理解していると
 その構造の完成度を高めることに注力できます。
 
 主張したいことを、論理的に組立てるということは
 「情報を構造化する」こと、その物です。
 
 情報を可視化すると、構造としての不備が見えてきます
 それを修正しながら完成度を高めることで
 価値ある情報を作ることができます。

「情報を集める、情報を構造化する、情報を作る」3つ行為は
それぞれ独立した力ではなく関連したものです。

情報を集め、組立てて、構造としての完成度を確認し
 ・不足の情報があったら、質問する
 ・矛盾する情報があったら、質問する
ということを繰り返します。

一度で上手くいくことはありません。
ぐるぐる繰り返すことで、内容の完成度が高まっていきます。

この中心にあるのが「構造化する力」です。

では、どうやって「構造化する力」を高めるのか?!

 構造の最小の基本要素を使って
 要素同士の関係をモジュール化し
 モジュールとしての完成度を高め
 完成度の高まったモジュールを組み合わせていく

という方法で、簡単な構造から複雑な構造までも
図解で構造化出ます。

簡単な部分から組み上げていけるので
誰でも構造化の力を高めることはできます。
ただし、練習が必要です。

この構造化の方法として
「9つの基本形」を使った図解思考を提唱しています。

図解を組立てる3つの方法

図解:図解を組立てる3つの方法

図解は、難しいです。
納得できる図解を描くには、時間がかかります。

すると、つい..

自分には、、絵心がないんだ。
センスがないから..
などと表現力の無さを言い訳にしがちです。

でも、図解できない原因のほとんどは
表現力のもんだいではありません。

できない理由は3つあります。

1つ目は、主張を明確にできないこと

 頭の中にある、もやもやした状態の「想い」のすべてを
 1枚の紙に落とし込むことは難しいです。

 この1枚で、何を伝え
 次の1枚で、内を、その次の1枚では..
 とストーリー展開することが必要です。

 これができると、全体を1枚にまとめることも可能となります。

 1枚ごとに、何を伝えるか明快に決められないことが多く
 上手くない図解を見ると、あれも・これもと
 盛りだくさんになってしまい、ポイントがずれています。

 
2つ目は、単文・単語に要約できていないこと

 1枚の紙に、長い文章で説明しても読んでもらえません。


 長い文章だと、読み手によって理解の個人差が大きくなります。
 これらを防ぐために、図解します。
 必要なことは分かりやすい要約です。

 重要なポイントに絞り込むこと
 分かりやすい単語や単文で表現することです。
 これが出来ていないと、意図が伝わりません。

3つ目は、内容を構造化できていないこと

 単語や単文に要約したものを構造化することです。


 構造化とは
  ・因果関係
  ・包含関係
  ・対比
  ・手順や時間経過
 などに組みたてて、整合性の確認や漏れ・重複のチェックをします。

 問題なのは、この構造がしっかりしていないことです。
 図解は絵とか図形と思っている人は、
 論理的な組み立てができていないことです。

要するに
図解に必要なことは

  しっかりした主張と論理的な組立て
 
が必要なのです。

もう、30年近く前のことです。
当時30代の私が、女子大生に「企画書見てください」と言われ
渋谷の喫茶店で会って、見てあげたことがあります。

その時つい..
「きれいに書けているけど、中身がない」と
言ってしまいました。

当然、それっきりですが..
私も若かったです。 反省..

図解は、見るのは簡単ですが
頭の中にあるもやもやした状態を図解にするのは手間がかかります。

どうしたら良いのか..

実は、図解は誰でもできるようになります。
ただ、正しい方法論に従ってコツコツ練習すれば。

よく見かけるのが..
どこかで見つけた図解の一部を取り込んで使うことです。

内容がマッチすれば、効率の良いやり方ですが、
多くの場合は、「?」と思われます。

もったいないことになります。

なぜ図解を使って思考するのか?

図解:なぜ図解を使って思考するのか?

図解思考は、図解を使った思考方法です。

図解は、
 ・要素(パーツとなる言葉の情報)
 ・関係(要素と要素の関係を構造化)

から成り立っています。

紹介している図の左右で
 箇条書きで示すこと
 図解で示すこと

を比べると
図解で表現したほうが、はるかにわかりやすくなります。

単純な内容なら、図解でも箇条書きでも大丈夫ですが
複雑な内容になればなるほど、
図解で表現することとの違いが大きくなります。

図解は、関係性を単純化して示すことが得意だからです!

図解の目的であり機能は
複雑な情報の関係性をシンプルに整理することです。

それには、
 ・要素化
   物事を言葉で切り取り情報化
   要素となるパーツを洗い出すことです

 ・抽象化
   俯瞰して全体を見ること
   情報の関係性を見つけるには抽象度の上下が必要です 

 ・関係化
   パーツとパーツの間にある関係性を考えます
   全体を単純化して要素同士を結び付けます
   因果関係、包含関係、移動、段階、対立など..

ということを行います。

関係を組立てるために
「図解パターン」を使うことがあります。

パターンは、とても有効です。
ただし、表現する内容に合致すればです。

図解の初心者は
表現する内容に合致しないテーマを
無理に当てはめようとすることがあります。

こうすると..
思考が深まらず、役に立たない図解が出来上がってしまいます。

これでは本末転倒です。

図解すると、思考の「見える化」ができるのです。
見えると、内容の過不足・矛盾が見えます。
見つけたら直せばいいんです。

そうなんです、思考の過不足・矛盾を可視化して
修正を繰り返すことで、思考の完成度を高めることが
図解を使った思考の大いなる役割なのです。

図解は情報の構造化

図解:図解は情報の構造化

図解を一言で言うと..

情報の構造化です。

構造化とは..
単純な要素同士の関係を整理して、構造に組立てること。

そのために、大きく3段階の工程があります。
 1.情報の言語化
 2.情報の規格化
 3.情報の構造化

となっています。

■1.情報の言語化

 この段階は、情報を言葉で定義します。
 モヤモヤしたアイデアを明確な言葉にします。
 この言葉が、情報を構造化するための部品となります。

 重要なことは..
 潤沢な言葉の材料を集めることです。
 この段階が陳腐だと、思い描いた事柄を表現できません。

■2.情報の規格化

 この段階は4つの段階があります

 2-1 言葉と言葉を組合わせて関係をつくる
     「原因→結果」などの要素同士の関係を整理します。
 
 2-2 関係が見えると「ヌケ・ダブリ・矛盾」が見える
     関係が見えると「?」疑問が湧き、間違いが見えます。
 
 2-3 見つけた「ヌケ・ダブリ・矛盾」を修正する
     間違いは修正すればいいんです。
 
 2-4 関係の完成度が高まる
     修正することで関係の完成度が高まります。

 この規格化とは、組立ての最小単位(アッセンブリー化)です。
 この関係のセットを創るために「9つの基本形」が有効です。
 

■3.情報の構造化

   関係のセットを組合わせていくことで構造化できます。
   家を建てる、車を組立てるなどのように
   モノを組立てる考え方で思考を組立てるのです。
   

この構造化の結果が図解となります。 

思いつきを書出して、図解パターンに当てはめることで
図解はできますが...
これでは、簡単な内容しか図解表現できません。

図解は「情報の構造化」ということを意識することで、
簡単な内容から複雑な内容まで図解することができます。

どんな複雑な機械でも、小さなボルトやナットの様な
最少単位に分解できます。
逆に言うと、小さなボルトやナットを組合わせていくことで
家でも車でも組み立てることができるのです。

図解は情報の構造化

図解は情報の構造化

図解は、情報の構造化です。

構造化とは..
単純な要素同士の関係を整理して、構造に組立てること。
どんなに複雑な内容でも、単純な部品の組合せでできています。

よく使われる図解パターンも構造化のための方法論です。
ただ、図解パターンでは簡単な内容しか構造化できません。

これからのビジネスは、
 ・物を仕入れて売る
 ・物を作って売る
というような単純なモデルはなくなります。

物は仕入れている、物を作っている、そして売っている。
でも、そこに「事」の要素が大きく絡んできます。

これからは「商品=物+事」となります。
同じ「物」を売っているが、
まったく違うビジネスになるのが普通のことです。

これからのビジネスでは、
この「事」を創ることが求められます。

では、どうやって「事」を創るのか?

裏紙に、思いつくことを箇条書きにして
どんどん書出して、まとめていく..

このやり方で、できるでしょうか?
できた「事」に、自信が持てるでしょうか?

問題なのは、その「事」を使った事業が始まってから
 ・ここが抜けている 
 ・このやり方がおかしい
 ・この部門にしわ寄せがくる
 ・顧客に理解してもらいにくい
 ・二度手間、やり直しが起こる
などなど、トラブルが発生することです。

後から思えば、
事前にチェックできることなのに
 ・それが出来ていない
 ・やったつもりだが不完全
ということが起こります。

解決策は、構造化することです。

構造化することで
 ・ヌケ
 ・ダブリ
 ・矛盾
を論理的に発見できます。

発見したら直せば良いんです。

事業スタート前の企画段階で発見出来れば
実害はありません。

そのために、図解を使って構造化することで
事業の仕組みとしての完成度を上げることが必要です。

図解は、情報を構造化する事が得意です。

単純に、図解パターンに当てはめて「できた!」を
卒業しましょう。

図解パターンでの、たくさんの練習は
図解思考の基礎力となります。
たくさん作成した経験は、大いに役に立ちます。