これからは多くのビジネスがサービス業化し、
「考える」ことが差別化・競争力を生み出す「源(みなもと)」となります。
誰から買っても価値は同じと言うモノ商品を販売するという意識では
これからは生残って行けません。
安売りに巻き込まれ抜けだせません。
商品=サービス +モノ商品(基本機能) 物の機能や価格は横並びで、 |
モノ商品は販売しているけれども、「あなたから買いたい」という、
「違い!」をしっかり打ち出すことが必要になってきます。
モノ商品とサービスを組み合わせて、他と差別化することができます。
そのため、すべての業種がサービス業化していくと言えます。
サービス業化し差別化優位となる要素を考えると
●「人」を考えると
・あの人がいるから、その店に行く、会社から買う
・あの人の言うことが信用できるから買う
・あのお店の雰囲気が良いから、接客が気持ちいから
・あの人の働く理念に共感できる、応援したいから
と言うような人が創り上げるものです。
●「仕組み」を考えると
・商品を上手く説明している、分かり易い説明書がある
・WEBサイトで購入まで悩まずに進める
・アフターサービスや修理などの体制がしっかりしてる
というようなビジネスのシステムが関係するものです。
そして、最も大切な事は
この差別化優位となる要素の「人」も「仕組み」も人が改善を続け、より良いものに築きあげることです。
その時に必要なのが、毎日の現場で「気づいて、考えた、書き溜めた」「知恵」です。
そして、それを社内で共有して、より良いものに改訂し続け積上げることが大切です。
実は、こんな困った体験をしました
もう、2年前の春のことです。 生まれ育った山に山菜採りに行きました。 藪に手を入れてワラビを採りました。 そこで、強い痛みがあり背筋がゾクゾクします。 これは、ただ事では無いな..と思いました。 マムシか?と思ったのですが.. まわりを見ても、それらしい生き物はいません? ハチかな?..原因不明です。 (写真は、入院した翌朝に朝食を食べている時の右手です。) |
子供の頃から、山に入って山菜採りをしているのですが初めての体験です。
あっと言う間に、ヒジまで腫れてきました。
ただ事ではない腫れ方です。
急いで病院に行きました。
市内の内科のA医院まで車で40分くらいかかりました。
土曜の夕方に開いていたのと、診察券を持っていたので行きました。
でも不安でしたので、医師に腫れあがった手を見せて
「ここで対処できますか?」と尋ねました。
すると医師は、「重篤なら、ここでは無理」と言いました。
ですが..
アレルギーを抑えるという黄色い太い注射をして、薬を処方してくれました。
食後にこの薬、腫れがひかなかったら、この薬というように処方してくれました。
でも、重篤かどうかの判断は???どこでしたんだろう?...していません。
診察は、腫れた手を少し見ただけです。
不安でしたが、医師に見せて処置してくれたのだからと家に帰って横になっていました。
でも、一向に腫れはひかない..
それどころか、手の腫れだったのが腕の腫れに広がっていきました。
そこで、これだとダメだ!
大きな病院(県立中央病院)の救急外来に行きました。
その救急外来の担当医師は、私の手の傷口をしっかり見て、
「マムシは穴が2つあるはずだが、池田さんの傷口は1つだ」と話しながら
しっかり見てくれました。
そして、傷口からは判断できないと言うことで、すぐに血液検査をしてくれました。
そして、その血液検査の結果を見ながら先輩の医師と私の目の前で相談していました。
その結果を踏まえて、「血液検査の結果は、マムシにやられたと考えられる」と言い、
その毒に負けない解毒剤を使うと治療方針を決めてくれました。
患者の私は、安心です。
そして、即入院..一週間、点滴につながれていました。
2日目には、毒がまわってきたのか片目の動きが悪く周囲が二重に見えます。
これでは、危なくて歩けません。
もし、市内の内科のA医院で治療してもらったのだからと「一晩様子を見て」と考えたら..
今、こんなことをしていなかったかもしれません。
医師としての資格は同じでも、
・考える材料・打つ手が充実している人と、
・とりあえず、できることをする人では、
行動や結果に大きな違いが生まれます。
安心して任せて良いか、判断する必要があります。
普通のビジネスでも同じです。
どちらが良い仕事ができるでしょうか?
どちらが成功する可能性が高いでしょうか?
より良い仕事をするには、考える材料・打つ手がとても大切です。
限定合理性という言葉があります。
意味は、知っていること・手持ちの材料の中で合理的に考えると言うことです。
知らないこと、持っていない手段は抜け落ちるのです。
論理的に考えるということは、常にこの経験性があります。
意識する必要があります。
良い仕事をするには、充実した「考える資源」が必要です!
現場の体験から得るものはたくさんあります。
社員各自が持ちよって蓄積すれば、「知恵・ノウハウ」のデータベースができます。
そのデータ・ベースによって、会社の「強み・特長」ができ競争力が高まります。
社員が辞めても、その知恵は残り伝承しながらより良いものに改訂し続けることができます。
知のデータベース(DB)を創りましょう!
経験をノウハウや知恵として共有できるようにするには、
言葉や文章、写真や図の見えるカタチにアウトプットすることが必要です。
言葉にして残さないと、会社に何も残りません。
すると..
優秀な人に頼って会社を運営することになります。
とてもリスクが高いです。
事故・病気での急な戦線離脱や競合他社からの引き抜きもあります。
新人が入ると、いつもゼロから仕事を覚える事になります。
いつまでたっても、「優秀な人が欲しい」と悩み続けることになります。
会社の競争力を高めるために、
現場の体験で得られる知恵を文書にして蓄えましょう。
・言語化:言葉で表現して
・抽象化:応用しやすくして
・体系化:理解しやすくして
こうすると、現場の「知恵」を蓄積でき、社内で共有しやすくなります。
そうすることで
・現場の「知恵」の伝承ができます
自分の獲得した知恵を他人に伝えることができます。
他人の知恵を利用することができます。
今ある知恵を土台に、現場を見る目ができます。
・成功確率をアップすることができます
失敗から学んだことを残しておくことができます。
考える材料、判断する材料として利用することができます。
経験から学び、失敗を未然に防ぐことができます。
新人を採用すると、戦力になるまで時間がかかります。
新人が戦力になるまでは持ち出しです。
会社のコストです。
できるだけ早く戦力になって自分の給料分を稼いで欲しいのが実情です。
でも、それを意識してないとコストが膨らみます。
それに、教える内容が整備していないと..
「何とかしろ!」と現場担当者に教育を丸投げにしてしまいます。
優秀な担当者なら教える内容が充実しているので育ちますが、
考えて仕事をすることの苦手な担当者に任せると、なかなか育ちません。
こんな反論もあります。
要するにマニュアルでしょ、マニュアルは役に立たないよ!
でも、何も教えないで現場任せにして「運任せ!」が実情です。
新人は、現場の体験から「気づき」、成長していきます。
その「きづき」を待っていると時間がかかります。
そこで、その「気づき」を意識的につくり早期の戦力化を計るのが教育です。
でも、現場で肌で感じて気がつくこともあります。
教育で教えられることは仕事の「基本」です。
でも、その基本がしっかりしていれば個人に身につく「応用」部分を積上げやすくなります。
新しい体験をして、新しい知見を得ても、気づきを得ても記録していないと消えてしまいます。
書いて貯めると善循環が起こります。
・現場で発見する力がつきます
・言葉で表現する力がつきます
・意味や行動を体系化する力がつきます
この循環ができると、現場の「知恵」はどんどん質が良くなり量も増えます。
仕事の現場を見るには、頭の中に「仕事の体系」が入っていないと正しく見ることができません。
細部まで考えて分析することもできません。
現場を見る目、分析力は持っている情報の多寡に左右されるのです。
最初は苦しかった、現場の「知恵」の蓄積ですが、やればやるほど上手く行きます。
社員の仕事の実力も高まっていきます。
社員の力をいかに発揮させるか、引出すかは会社の問題です。 社員個人を責めて精神的に追い込むだけでは上手く行きません。 いかに早く戦力化するか、よりレベルアップするかが会社のテーマです。 |
人と組織の「強み」を積上げる「考動知図」(こう・どう・ち・ず) 有限会社 テオリア 池田 秀敏