「現場の知恵」を蓄積・活用する「考動知図」

「現場の知恵」を積上・活用する「考動知図」(こう・どう・ち・ず))

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手段

同じテーマで議論しても発言内容はみんな違う

図解:同じテーマで議論しても発言内容はみんな違う

同じ職場で同じテーマで、話しても
参加者の意見が全くバラバラという経験はありませんか?

Aさんは、
 ・これをやれば大丈夫!

Bさんは、
 ・ほんと?、それででできるの?

Cさんは、
 ・この前の手順で進めよう!

Dさんは、
 ・以前やって上手くいった!

...

と意見が出てきた頃に

 ・そもそも、何のため?
 ・それを、やる意味はあるの?

と、議論の最初に引き戻されることがあります。

でも、それは、最初に引き戻されたのではありません。

重要な、議論の土台を確実にしないで
具体的な、作業(タスク)を積み上げる方法を
決めようとすることに無理があるのです。

何をやるか!「What」
どうやるか!「How」

これらは、
何のために!「Why」が土台になります。

この「Why」を確実に決めないで
それ以降を議論しても意味がないのです。

人によって、
 ・立場が違います
 ・見えている世界が違います
 ・興味や関心ごとが違います
 ・知識や経験が違います
 ・得意分野が違います
みんな発言の土台が違うのです。

だから、議論しても出てくる言葉が違うのです。

違いを整理すると
 ・Why「何のために」から考える
 ・What 「何をするのか」から考える
 ・How「どうするか」から考える
 ・Plan「実行計画」から考える
 ・Do「実行できるか」から考える
この5分類できます。

これを、混在させて議論するのでわかりにくくなるのです。

どのアイデアを話しているかを整理することが必要です。

実は、違うから良いのです。

この違いを上手く活かすことがアイデア会議には必要です。

一番、もったいないのは...

期待する議論が出来ていないときに
上から目線で「何で、俺の言うことが理解できないんだ!」と
いうことです。

期待する議論ができていない一番の原因は
  Why「何のために」
が明確でない状態で議論に入ることです。

外注に仕事を依頼するときにも同じです。

自分では、しっかり依頼したつもりでも
現実は、
 Why「何のために」
があやふやで依頼しているのです。
あやふやだから、期待する提案が出てこないのです。

「そんなことはない、しっかり目的は伝えている」
と反論も出てくるのですが...

その伝えていることは
 ・上手くいけばいいんだ
 ・しっかり儲けることだ
 ・みんながちゃんと動いてくれればいいんだ
というような抽象度の高い言葉で語っています。
確かに目的だけれど、これでは役に立ちません。

目的と手段は、階層構造になっているのです。

適切なレベルの「目的 → 手段」の定義が必要なのです。

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目的と手段の階層構造 

図解:目的と手段の階層構造 

こんな困ったは、ありませんか?

社長が現場にでて、あれこれ指示します。
でも、現場の立場で考えると
ピントがずれています。

社長の頭の中にある目的は明確です。
「これから始める新規事業が成功すること」です。

確かに、それは間違いないことです。
でも、それを現場に求めたらどうなるのでしょうか?

社長の目的は、
部下である部長に仕事をしてもらい実現します。
社長にとって、部長の働きが手段となります。

部長の目的は、
部下である課長に仕事をしてもらい実現します。
部長にとって、課長の働きが手段となります。

このように、上位の

ある目的(何をする)は,
その目的から見れば「手段」となるのです。
この関係が、上から下へとつながっています。

これを、「目的と手段の階層構造」と言います。

手段の正しさを確認するには、
その手段を選択した目的との整合性の確認が必要です。

それをせずに、
最上位の社長の目的と比べて
現場の動き(手段)に問題があると言ってしまうのは
どうなのでしょうか?

明らかに、問題のある行動(手段)の場合もあるでしょう。
でも、多くは現場の上位(係長)の持っている目的を実現する
手段としての現場の動きがあるはずです。
そことの整合性が取れているかどうかの確認は大切です。

全く別の例で言うと..
上司から、提案書の作成を依頼されたときは。

企画や提案について知識・経験の低い上司だと
目的を
 ・その提案書をもっていけば
 ・話を聞いてくれて
 ・納得してくれ
 ・契約する
という提案書を創れと言います。

でも、その相手先と提案内容によって
目的と手段を考える必要があります。

上司にしてみれば契約できればいいんだなんでしょう。

相手先も提案も初めてなら3段階での提案が必要です。

1段階目:提案できる環境を創る
     顧客の実情を把握するため
2段階目:顧客担当者との協同作業する
     どうなったら満足を引き出せるかを一緒に考える
3段階目:契約を迫る提案
     提案の最終段階

というように、段階によって提案の目的が異なります。
目的が異なるので、手段となる内容も異なります。

最終目的の「契約を勝ち取る」ということに対して
1度では実現できないので3つの手段に分割しました。
そして、それぞれには異なった目的と手段があるのです。

仕事を作業に組立てるときには
「目的と手段の階層構造」の関係を意識しましょう。

「今更、目的や目標の確認..分かってるだろう」
などと部下を叱責するのはやめましょう。