図解を使って相手の期待を掘り起こす
普通に、図解と言うと、
企画書や提案書を分かりやすくするために
図解で「表現する技術」と思われがちです。
情報の受け手としては
この紹介している図解で言うと
・誤って理解したこと
・正しく理解したこと
を元に「図解表現」すると言うことです。
でも、この2つの情報から
誤って理解した部分を補正して表現したとしても
情報の発信者は「そう、それが言いたかった!」と
喜んではくれ無い場合が多いのです。
もらった情報を
「表現する」というアプローチだけでは
相手の期待を表現できていないのです。
喜んでもらえる文書を作成するためには
以下の4つを受けとめることが必要です。
相手の
1.期待しているは、自覚していないこと
2.認識しているが、言葉で表現できないこと
3.言葉にできるが、伝えないこと
4.言葉で伝えたが、嘘・間違っていること
この4つです。
相手の言葉の中から
その内容を盛り込んで表現して
「これが言いたいんでしょ!」と
言ってあげることです。
ここまで、できないと意味がありません。
こう考えるようになった体験があります。
平成元年に、フリーランスのSEで独立しました。
システムを導入する会社に伺って、
どんなシステムが必要なのか打ち合わせます。
当時、その打ち合わせで詳細な議事録を作ります。
もちろん、内容は確認します。
それを元に、システムを設計し開発します。
開発が終わると、導入テストです。
問題は、ここからです。
議事録で確認した機能を満足していますが...
導入テストで「違う!」と言われます。
これでは、導入できないので
「修正してくれ!」と要求されます。
でも、
議事録を確認すると打ち合わせ通りの機能です。
議事録を広げて「議事録で確認していますよ」と
言うのですが、納得してもらえません。
「そういう意味で言ったんじゃない!」と反論されます。
システムの仕様変更を行い、プログラムの修正になります。
この体験から
顧客の
「口で言っていること ≠ 頭で望んでいること」
この違いが原因だ、と気がつきました。
そうです、口で言っていることを
漏らさず書きとめてもダメなんです。
実体験から、これが分かりました。
真面目に一生懸命に聴きましたでは役に立ちません。
相手の言っていることの
「間違って言っていること」
を補正して受けとめた上で、
相手の頭の中にある
1.自覚していないこと
2.言葉で表現できないこと
3.伝えないこと
を想像して創造するすることが必要です。
どうやったら、これができるか考えて
図解に行きつきました。
相手の言葉を考える材料として図解します。
図解すると
・抜けているところ
・重複しているところ
・間違っているところ
が見つかります。
ここを尋ねます。
これを繰り返すことで、
相手と一緒に、
相手の頭のなかの期待していることを
文書にすることができます。
こうやって頭の中で考えていることを
整理していくと自然に図解になっていきます。
図解の主な目的は
考えを整理して、
考えていることの完成度を高める技法です。
11月13日(金)に東京都内で図解講座があります。
そこでは、この手法も解説します。
詳しくは
http://www.teoria.co.jp/semi/index.html
この図解は、今紹介した図解の元となったものです。
体験から、だんだんと情報が減っていく・変形することを整理しました。
この元の図を進化させて今の図解になりました。
図解の進化の参考にしてください。
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