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考えないで作業に逃げ込んでも業績は上がらない

考えないで作業に逃げ込んでも業績は上がらない

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urenai

考えないで作業に逃げ込んでも業績は上がらない

もう、20年近く前のことです。
酒屋さんのチェーンのセミナーの仕事をしていたときのことです。

関西発祥で、全国展開しようと
東京都内に本部のある酒販店チェーンがありました。

私はセミナーの企画のテキスト作成と
講師も一部お手伝いしました。
講師は数人で、東京・大阪・名古屋・九州と分担していました。

どんな研修かというと...
当時は、酒のディスカウント店がドンドン増えてきて、
酒販店は生き残りをかけて変わらないといけない状態でした。

そこで、店主ご夫婦に参加していただいて、
今までの仕事のやり方をゼロから考え直すキッカケにを提供する、
「意識改革」を行う1泊2日のセミナーでした。

当時の酒屋さんは、大名商売と言うのでしょうか、
今では考えられない状態でした。

お酒の仕入では、こんなお店もありました。
  問屋の営業マンがやってきて、
  埃の積もった棚を掃除して(もちろん、お店の棚です)
  値札をつけて(納品した酒瓶です)
  店主に頭を下げて帰る
これが、一般の酒屋さんの”仕入”業務でした。
店主は、営業マンにお酒の数を指示するだけです。

お酒の問屋さんは、どの酒屋さんに卸しても同じ値段、販売価格も同じでした。

どこも販売量は似たり寄ったり、
営業マンは、酒屋さんの担当件数が多ければ実績が上がると言うのが実情でした。
ですので店主に嫌われないように、
他の銘柄のお酒より自分の銘柄のお酒をたくさん置いてもらえるように気を使いました。

今では、考えられない状態でした。
免許に守られて大名商売していたのです。

でも、ディスカウント店が増えてくると状況は激変しました。

ディスカウント店が増えてくると、
地元のお客さんもそこに買いに行ってしまいます。
これまで確実に売れていたお酒やビールの売上が、ドンドン減ってきます。

問屋の営業マンも、手間のかかって儲けの少ない酒屋さんに納品するより、
ディスカウント店を相手に商売した方が効率が良いと、考えるようになりました。

卸価格の単価は下がりますが、販売コストは小さく一度に大量に売れます。
ディスカウント店の仕入の特徴は
   ・大量に
   ・それも計画的に
   ・現金で買ってくれ
   ・コストを下げるためにトラックで買いにきてくれたりします
卸問屋の営業マンとしてはどっちが良いでしょうか?

問屋も商売ですから、販売量の多くて儲かるディスカウント店の方を向きます。

酒屋さんも商売への意識改革が必要になりました

意識改革の研修を担当しました。

研修の最初にやったことは..

今まで買い物をして
 『嬉しかったこと・ 楽しかったこと』 
   ...自分のお店に応用できます

 『不快だったこと・ もう行きたくないと感じたこと』
   ...反面教師にできます

この2つをテーマに紙に書いてもらいました。

でも、実態は、
ほとんど書けませんでした。
体験談を話すこともできません。

自分が買う立場としての経験を活かすという体験が無いのです。
自分のお店だったら”どうするか?”考えたコトが無いのです。
誰でも、どこかで体験しているはずなのにアンテナが無いのです。

朝早くから、重いお酒を配達して、長時間労働で、働き者...
これが酒屋さんの当時の代名詞でした。
免許が代々受け継がれ、
地域の一定量の販売は確保できていたからできた商売です。

次はの質問は『どんなお店にしたいですか?』です。
   
やっぱり、何にも書けない人が8割ほどいました。
夫婦でやっているお店、店員を雇っているお店...
書けません・話せません。

以前のように(ディスカウント店がでる前)、
売れてくれればと思っているだけです。

これでは、お店を変えるための具体的な行動が起こせません。

いろんなお店を見て、
 ・あの店のあの部分、
 ・この店のこの部分
というようにイメージがあれば良いのですが
お店の研究もしていません。

でも、そこに集まった人は、
「何とかしよう」とチェーンに加盟しただけ先進的なお店なのです。

大切なことは..

お店のリーダーである店主が、
お店をどうしたいのか!、
しっかりとした完成図を描けているかが大切です。

何も考えないで、儲かれば良いとか、良い店にしたいとか...
従業員や奥さんに一生懸命頑張れば繁盛する...
と、言ったところで..
何もかわっていきません。

一生懸命という、目の前の作業に逃げ込んでも上手くいきません。
上手くいく方法を、日々の仕事の中から
考えて積み上げていくことが大切です。

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