「現場の知恵」を蓄積・活用する「考動知図」

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標準化

マニュアル作成の難しさ「仕事の標準化」

図解:マニュアル作成の難しさ「仕事の標準化」

こんな悩みがありませんか?
 ・現場の担当者がいないと仕事が回らない
 ・病気や事故でもフォローできる体制が組めない
 ・担当者を替えると元に戻してくれとクレームがくる
 ・新人を短期間に戦力化できない
 ..など

この原因は、仕事の属人化です。

解決するには、組織として仕事のやり方を定義した
業務マニュアルの作成が必要となります。

その第一歩が「仕事の標準化」です。

「仕事の標準化」とは
 仕事のやり方の組織の標準を決めること。

職場で、
○○業務とか□□作業という言葉で話していても
机を並べて同じ仕事をしていても
人によって仕事のやり方が微妙に違うのです。

 ・Aさんのやり方
 ・Bさんのやり方
 ・Cさんのやり方

みんな自分のやり方が最良と思っています。

何が違うのか?

 ・取り組み方の違い
 ・やり方の違い
 ・手順の違い
 ・習熟度の違い

などから仕事の作業としてのプロセスが違ってきます。
プロセスが違うのですから、得られる結果が違ってきます。

組織としては、
一番、成果を産みだす効率の高い「やり方」を
標準にしようと考えます。

でも、みんな自分の「やり方」が一番いいと思っているので
なかなか標準が決まりません。

問題なのは、声の大きい人の意見になっていくことです。
ありがちです。

優秀で一番成果を上げている人でも
すべての場面で、一番効率的な「やり方」をしている
分けではありません。

理想なのは、みんなの良いところをモザイクのように集めて
組織としての理想の「やり方」を組立てることです。

これに必要なのは
各自が自分の「やり方」を文書化することです。

これが難しい。

普段、文書を書きなれていれば抵抗感が少ないのですが
現場でバリバリやっている人ほど紙に書き出すことは苦手です。
上司から書いてくれと言われても、なかなか手が出せません。

現場で、新人をそばに立たせて
実際に仕事を見せ説明ができるのですが、文書にするのは難しい。

私が、勧めている方法は
最初から完成度の高い完成版をつくろうとしないことです。

100%の完成度のマニュアルを、効率的に!
と考えると、まず無理です。

だから
まずは、適当に作成する。
あまり手間をかけないで、適当に写真や動画を撮影して
パワーポイントに貼りこんで
簡単なコメントを付けて持ち寄ることです。

まずは、みんながどうやっているか
簡単なすり合わせからやることです。

これを感度か繰り返して
少しづつレベルアップを計るのです。

この作業を進めるということは
「ノウハウの共有化」を考えることです。
現場でやっている作業の何がノウハウなのか浮かびあがります。
でも、このノウハウを浮かび上がらせるところまでが難しい。

このノウハウの片鱗が見えることが必要です。

単純に作業手順を写真に撮ってキャプションを付けてマニュアル
とすることでしたら短時間で作成できますが...

これでは、現場発案で改善を進めてマニュアルを成長させ続ける
環境をつくることは難しと考えます。

まずは、適当にやっつけましょう。
これだと精神的はハードルがぐっと下がります。

何べんも没にすることで
だんだんと内容がグレードアップしていきます。

「なぜ、そうするのか?」を突き詰める

図解:「なぜ、そうするのか?」を突き詰める

同じ職場で、同じ仕事をしていても..
人によって成果が違うのは、なぜでしょうか?

同じ作業でも、
人によって、やり方がバラバラだったりします。
当然、生産性が違います。
 ・Aさんのやり方
 ・Bさんのやり方
 ・Cさんのやり方
これが、仕事の「属人化」です。

なぜ、いろいろなやり方があるのでしょうか?

考えられるのが
 ・教えてくれた人が違う
 ・それぞれが独自に改善、工夫している
 ・各自の工夫を教えあわない
 ・教えてもらっても受け入れない
などなどです。

要するに
「会社が、組織として仕事のやり方をコントロールしていない」
ということです。

会社は、
結果さえ出れば、どうやってもいいのです。

結果にしか興味がなく、プロセスはどうでもいい
と考えていると言われても仕方がありません。

では、会社が組織としてプロセスをコントロールするには
属人化している仕事のやり方を「標準化」することです。

でも、誰かのやり方に統一させようとすると問題が起きます

正しいやり方は、これまでやってきた
 ・Aさんのやり方
 ・Bさんのやり方
 ・Cさんのやり方
をテーブルに出して
具体的なタスク単位に分解して
成果につながるプロセスを組立てます。

要するに
現場の担当者の頭の中にある「現場の知恵」を
集めて成果につながる新しいプロセスを組立てるのです。

では、「どう、成果につながるのか」を考える3つの視点があります。

1.お客様
  顧客満足は得られるか?
  顧客に支持されることが最も重要です。

2.経営者
  理念に合致するか?
  儲かればいいでは、会社を長く続けられません。

3.担当者
  生産性はどうか?
  仕事をしやすいのか、効率的な作業ができるのか。

という観点で、小さな作業を一つひとつ探っていきます。

とても面倒くさい作業です。

でも、成長する業務の標準化を導入するには
必要な土台作りとなります。

そんな面倒くさいことしないで、
現場作業を写真や映像で撮って手順化して
スマホやタブレットでオンラインマニュアルを作れば簡単。

確かに、簡単でしょう。

一定の効果はあると思います。

でも、作業手順を共有化するだけで良いんでしょぅか?
この通りやれと、教え、その通りやらせるだけでいいんでしょうか?

仕事の標準化が会社を変える

図解:仕事の標準化が会社を変える

仕事の標準化とは何でしょうか?

誰が、いつやっても同じ手順で作業を進めて
期待した成果を安定的に生み出す仕組みです。

ベテランが少なく若手や非正規社員で構成された職場も
多くなっていますので、仕事の標準化が大きな課題になっています。

標準化で得られる効果は

1.やるべきことが見える
  指示しなくても成果のでる行動ができる

2.属人化の弊害を防ぐ
  スター社員に依存しなくてもいい

3.新人を即戦力化できる
  新人教育をコントロール短期間で一人前に

4.成長のロードマップ
  仕事の学び・成長の道筋が「ある・見える」

5.俯瞰して役割を理解
  仕事の全体を知って今の動きを考えられる

6.仕事への自信と業績安定
  誰でも一定の成果を上げられる

7.情報を共有し議論できる
  考える土台・情報があり改善提案が出せる

8.会社の成長に貢献できる
  自ら考えて行動する文化が根付いていく

標準化の分かりやすい例としては

水道栓(蛇口)の止水方法(上げ下げ)がメーカーによって違っていました。
A社は、レバーを下げると水が出て、上げると止まるのに対して、
B社は、はこれとは真逆でした。
これは社会的にリスクになりかねない事象とも言えます。
現在は、下げて止まるという方式が国際標準・国内標準化して統一されています。

このようなちょっとした違いは、仕事の現場にもあります。
同じ仕事をしていてもA係長の仕事のやり方とB係長のやり方が
少しづつ違うということがよくあります。

同じ係内で仕事をしているのであれば問題ありませんが、
移動があったり、組織を超えたプロジェクトの場合には
暗黙の「仕事のやり方」の違いが
 ・意思疎通を困難にし
 ・仕事の手戻り、二度手間
 ・つまらないミス
などが発生します。

その都度、精神論でしっかりとか慎重にとか報・連・相と言っても
あまり意味がありません。
再発します。
そして、精神論の繰り返しです。

誰もが、仕事の現場で自分の100%、120%で考え行動する
ことはできません。
時にはできても、常には無理です。

仕事の標準化は、精神的に無理をしなくても
一定の成果を上げ続ける仕事のやり方を 
 ・環境つくり
 ・ツールつくり
を土台に進めるモノです。

「仕事の属人化」の問題

図解:「仕事の属人化」の問題

こんな問題で悩んでいませんか?

 ・優秀な人の知識や経験を伝承できない
 ・担当者によって、仕事品質の差が大きい
 ・新人を即戦力化することが出来ない
 ・優秀な社員に頼らないと、仕事を回して行けない
 ・つまらないトラブルが何回も繰り返される
 ・会社を、何年やってきても「優秀な人が欲しい」と悩む
 ・後継者へ上手く事業を引継ぐことが難しい

これらが発生する原因は一つです。

社員が、自分の頭の中にある知識や経験に従って仕事をしているからです。
だから、優秀な人は高い成果をあげ。
普通の人は、それなりの成果しか上げられないのです。

これを

 「仕事の属人化」

と言います。

「仕事の属人化」の事業運営の特徴は

  1.業績の個人差が大きい
    「優秀社員・普通社員」の実力差が大きい
 
  2.組織として教育をコントロールできない
    新人に教える内容が担当によって違う

  3.仕事品質に個人差がある
    仕事のやり方が、少しづつみんな違う

  4.いつまでも組織知が高まらない
    仕事のノウハウは個人に頭の中

要するに

 「仕事の標準化」ができていない

これにつきます。

「属人化」された会社では
Aさんの頭の中と、Bさんの頭の中にあることが違い
それぞれが独自で仕事に取り組んでいるのが現実です。

その結果、
優秀な人が辞めたら
現場の仕事のノウハウが無くなってしまいます。

仕事のノウハウは
 ・問題にぶつかり
 ・会社がコストを負担し
 ・誰かが解決に奔走し
 ・誰かが「ノウハウ」を得る
こうやって積み上がります。

誰かの頭の中に入っている「現場のノウハウ」は
会社がコスト負担したものです。

これが簡単に失われてしまうのです。
もったいない。

トヨタは、すべて文書化されているそうです。
改善は、その文書の書き換えや追加とのこと。
これは、組織の知恵。
改善することで、どんどん成長していきます。

だから、組織の知恵を
どんどん成長させることが出来るのです。

間違いなく、これが大企業になった理由だと思います。