「現場の知恵」を蓄積・活用する「考動知図」

「現場の知恵」を積上・活用する「考動知図」(こう・どう・ち・ず))

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図解での構造化例「年収一千万円越が自慢の営業マンが独立」

図解っで構造化例「年収一千万円越が自慢の営業マンが独立」

図解で構造的に考えた事例です。

もうかなり前のことです。
当時、私は独立して5~6年くらいの37~38歳くらい、

高輪にある小さな会社で知り合った営業マンとの体験です。

その会社は、個性的な会長と社長のコンサルとしての力と、
優秀な経営分析のソフトの販売を合わせて行う会社でした。
小さいけれど、魅力的な会社でした。

勤めていた会社は、彼は、34歳だったと思います。
営業マンだった彼は、若いのに年収1千万円が自慢でした。

営業のやり方は、経営分析の本の読者や講座の参加者から見込客を誘導していました。
そのフォローをしていくのが営業としての彼の仕事でした。

私が本の読者であり、講座に参加した受講者だったので、
彼と出会い、時々お茶やお酒を飲むようになりました。

個人的な話もしていたので、
彼から
「会社の上司から評価されていない」とか
「もっと評価して欲しい」
という言葉が出ていました。

34歳で年収1千万円もらっているなら十分だろと思うのですが、
彼には不満だったようです。

ある時、「独立したいので相談にのって」とメールがきました。
当時のメールはニフティです。
懐かしいですね。

そこで、このように返信しました。
  『事業内容や商品は決まっているの?
   自分のやりたいことを、欲しい人がいて
   欲しい人を満足させる実力があると
   その実力レベルの収入が得られるよ
   それが、独立だよ』

と送りました。

彼から返信が来たのですが、
そのことに関してはコメントがありません。
会う日程の調整だけをやりとりしました。

渋谷で会って、彼の行きつけのお洒落なお店に入りました。

その時、彼はすでに退職していました。
私から独立への体験談を聞きたかったということです。

でも、独立するのに、
事業内容が、まるで何も決まっていません。

そこで、私が彼にアドバイスしたことは
メールで送ったことと同じです。
  『事業内容や商品は決まっているの?
   自分のやりたいことを、欲しい人がいて
   欲しい人を満足させる実力があると
   その実力レベルの収入が得られるよ
   それが、独立だよ』
です。

でも彼から返って来た言葉は、
   『池田さんは、厳しい』 でした。
厳しくなんてありません。

これは、独立したら当たり前のことです。

彼はビジネスの内容も販売する商品も決まらないまま
会社を辞めていたのです。
でも、「自分はできる」という気持ちだけだったのです。

当時の彼は、結婚もしていて、
七千万円ほどのマンションも買ったばかりとのことです。
大丈夫なんだろうか?
と、余計な心配までしまいました。

半年ほどしてから彼から葉書がきました、
新しく事業を立上ましたという案内です。
事業内容は、コンサルタント、マーケティングリサーチ、
経営支援、ホームページ制作...となっています。
何だか格好の良いカタカナが並んでいます。

私の想像では
 ・数ヶ月かかって自分探しをして、
 ・とりあえず自分にできそうなホームページ制作になり、
 ・コンサルタントとかマーケティング
という言葉を並べて格好をつけたのでしょう。

そのホームページ制作も
当時はやり始めていたので営業で受注して製作は外注だろう
と想像としていました。

そして...
2年後くらいに会いたいと連絡がありました。

今度は、神田の駅のホームで待ち合わせです。
約束の時間になっても彼はきません。
携帯電話での連絡もありません。

どうしたんだろう
私は、待ち合わせで相手から連絡が無くても30分は待つと決めています。
本を読んだり、メモ帳で考えたりすれば時間はあっというまに過ぎます。

30分過ぎたので、そろそろどこかに入って一杯飲んで帰ろうかと思っていると、
電車が着いて、ホームの向こうから彼が歩いてきます。

私が、相手を待たせたなら、
急いで駆けよるのにと思いましたが、
彼はゆっくり歩いてきます。

話を聞いたら、事業は上手くいかず
離婚しマンションも売ったとのことです。
そして、食品会社に就職したとのことです。
でも、名刺も出しません。
うつむきながら話してくれました。

就職したという食品会社の事業内容や担当している仕事の話も
とりとめもなく、何だかよくわかりません。

もう、数年前の背筋がピンとした優秀な営業マンの雰囲気
はありませんでした。
とても、もったいないと思った体験です。

それ以降、彼からの連絡はありません。
年賀状も住所不在で届きませ。。

この体験を、図解で構造化して考えました。

独立する人には、この2つのタイプがあります
 ・自分の努力や能力で成果を上げた人
 ・会社の仕事の仕組みにのって成果を上げた人
どちらが独立して成功するでしょうか?

もう、誰が考えても分かります。

よく、こんな事を聞きます。
大企業にいた人や公務員だった人が独立すると上手く行かない。

私も何人か見ています。
同じ個人事業主同士なのに、
自分の方が上だという上から目線で
私を出入り業者のように扱う人がいました。
同じ立場だということが理解できていなようです。

会社の仕事の仕組みにのって成果を上げた人は、
自分の実力で成果を上げたと勘違いしています。

会社の用意してくれた仕事環境の
重要性を理解できていないのです。

大企業や役所には、仕事を運営していく「仕組み」があります。
それに乗って仕事をしていくと、相応の成果を上げることができます。

勘違いしている人には、
その「仕事の仕組み」のありがたさが分かりません。

会社の看板も無くなり、
生身の自分が試されるということが理解できないのです。

魚には水が見えず、人には空気が見えません。
どちらも大切です。
無くなったら、生きていくことはできません。

独立したら、裸の自分しか頼れません。

意識は大きな会社の社員だった時の上から目線なので
言っている事と、できることに大きな落差があるのです。
まわりから、だんだん相手にされなくなります。
そして、多くの人は1年程度でサラリーマンに戻ります。

何とか、3年持ちこったられると、
素直に自分に足りない部分が理解でききます。
応援してくれる人に「ありがたい」と感謝できます。
どうしたら人の役に立てるかを考えることができるようになります。

今から思うと、わたし自身独立したての1~2年目はひどかったと思います。
独立当初は、仕事も途切れることなく調子よく行きました。
強気の見積もりも通っていたからです。
ちっちゃな天狗になっていたと思います。

でも、バブル景気が無くなってソフト業界の厳しい時代になりました。
私に仕事を依頼してくれた会社が倒産したり業務縮小となりました。
当然、当時の私にまで仕事が来ません。

そこで、自分で仕事を創りだす方となり提案営業をやるようになりました。
もちろん上手くいきません。
自分の力の無さを痛感し自分を変えるしかなくなったのです。
この期間は厳しかったですが、後から考えると良かったと思っています。

人を変えることも難しいですが、自分を変えることはもっと難しいです。

自分を変えることができるまでに3年くらいかかりました。
外圧が、自分を変えてくれるのです。

それから思うと、今の若い人たちはすごいです。
意識も能力も高く、行動もしています。
とても刺激されます。
気づきももらえます。
未来の日本を支えて欲しいと思います。

営業マンだった彼の場合は、
会社の「仕事の仕組み」の上で、成果を上げていたことを理解していなかったのです。
会長・社長が時間をかけて築いたことが
見えなかったのです。
理解できていなかったのです。

だから自分が独立しても同じように仕事ができると勘違いしました。
自分でゼロから築いていくということも考えていませんでした。

もったいない。
もっと彼は、自分を活かせる働き方があったはずです。
どこかで、元気に頑張っていてくれることを期待しています。

経営資源の中心要素が「知的資産」になった

図解思考:経営資源の中心要素が「知的資産」になった

経営資源とは
企業経営をするために必要な要素や能力を経営資源と呼びます。
「人・物・お金・情報」を、四大経営資源と言われています。

この中で、最も重要な経営資源は「人」です。
人が、「どう考え・どう動くか」によって大きく成果が変わります。

以前は
「人・物・お金」に「情報」をプラスして、
情報をいかに使って物の価値を高めて売るかが重要でした。

ここでは、一生懸命や熱意、誠意が土台となり
活動量の多さで頑張ることが重要でした。
そこで、顧客情報や商品情報、紹介などの情報が
役に立ちました。

今は、どうでしょうか?
誠意や情熱、一生懸命は当たり前です。

ネットの進化で、顧客の方が商品情報を持っている
といことも普通にあります。

もう、単なる情報という位置づけでは競争力は得られません。

顧客が、商品やサービスを購入するのは
自社の問題を解決するためです。

そのために必要なことは問題解決力です。

単なる商品情報ではありません。
顧客を良く知るための顧客情報だけでもダメです。

顧客の問題解決を効率的に提案するには
組織に「知的資産」が蓄積されていることです。

組織に、蓄積していないとしても
優秀な社員がいれば売れます。
顧客に頼りにされ信頼もされます。

でも、その優秀な社員が辞めたらどうなるでしょうか?

個人の頭の中にある「知的資産」が無くなります。
組織には、何も残りません。

一番、まずいケースは同業他社への転職や独立です。
優秀なら優秀なほど、会社の痛手は大きくなります。

組織として「知的資産」を持っていれば
優秀な社員が辞めても痛手は最小限で食い止められます。

組織に「知的資産」を積上げるということは
文書にして共有するということです。
これができると、組織の誰もが使うことができ、
使った経験をもとにブラッシュアップすることができます。

優秀な個人の頭の中に「暗黙知」として入っているだけだと、
効率的に教えあうことができません。

組織に「知的資産」を積上げるために、
もっとも大変なことは文書としてアウトプットすることです。

現場で優秀でも、なかなか書けません。
行動できても、言葉で説明することはできますが、
紙にはなかなか書き出せません。

それが普通です。
書く訓練をしていません。
書き出す情報を構造化する訓練もできていなののです。

「知的資産」を積上げるために、図解思考は有効です。
私は、仕事をしながらコツコツ書き貯めました。

今回、紹介している図解もその一枚です。

図解で構造化すると、自分の理解も確認でき、
見た瞬間に理解してもらえます。

「期待」する結果が出ない理由を構造から考える

図解:「期待」する結果が出ない理由を構造から考える

仕事は、依頼と受注で出来ている。

依頼者は、「こうして欲しい!」と依頼します。
受注者は、「分かりました!」と受注します。

そして、依頼通りに行動し結果が出ます。

でも、依頼者の期待と受注者の行動の結果が違う
ということが発生します。

ここで、依頼者は上から目線で
 ・何を聞いている
 ・指示したことくらいやてくれ
 ・期待していたのに
などと叱責します。

では、依頼者の期待通りの結果が出ないのは
受注者が原因なのでしょうか?

図解の良いところは
情報を構造化することで解りやすくできる点です。

仕事の依頼を手順で考えると

  1.依頼者が「考える」 依頼内容を発案

  2.依頼者が「伝える」
    受注者が「請ける」

  3.受注者が「行動する」

  4.結果が出る

この4段階になります。

問題が発生する場合は、このどこかに原因があります。

図解で考えると
 ・どこに
 ・どんな可能性があるか
考えやすくなります。

問題発生の可能性がある個所を列挙したら
その部分での対策へと進むことができます。

是非、図解を試してみてください。

ビジネス文書における文章と図解表現の違い

図解:ビジネス文書における文章と図解表現の違い

図解とは、情報を「構造化・可視化」する手法です。

伝えたいことを、長い文章で書くと...
必要に迫られた人ならしっかり読んでくれますが、
普通は、パット見ただけで興味が無ければ読み飛ばします。

複雑な内容は長い文章ではしっかり読んでも理解しにくいのです。
 ・読む気がしない
 ・読んでも理解しにくい
 ・理解の個人差が生まれやすい

というのが実際です。

これでは、情報を伝えにくい共有しにくいのです。

これが図解で表現された文書だと、
複雑な内容でも構造化されていると直感で理解できるのです。
 ・読まなくても見ただけで理解できる
 ・理解の個人差が生まれにくい
 ・イメージが記憶に残りやすい

図解だと、情報を伝えやすく共有しやすいのです。

複雑な内容ほど情報を構造化する図解表現が役に立つのです。

ただ、図解するのは難しいのです。

なぜか?

長い文章なら、考えながら書いていけます。
書き出しと終わりで、少し主張がずれてきても気がつかない場合がある。
特に、書いた方は気がつかない場合が多い。

はっきり書くと!
伝える情報が、不完全でも文章だと「それらしく」書けます。
一生懸命書いていると本人は思い込みます。

結局、多くの場合
不完全な状態で伝えることになります。

相手から、「結局、どうなる?、この言葉は、どういう意味?」
などの質問が出ます。

その都度、その場で考えて口頭で補足することになります。
すると、答えた内容のつじつまが合わないことが発生します。

上手く伝わらない原因は、不完全な情報で伝えていることが多いのが現実です。

図解すると

全体を理解しないと図解できません。
部分での理解ではなく、全体を構造として理解できないと
図解にはならないのです。

図解すると、
 ・ヌケ(必要な情報」の不足)
 ・ダブリ(同じ意味を違う言葉で表現している)
 ・矛盾(辻褄が合わない、整合不良)
を発見することができます。

見つけたら修正すれば良いのです。

納得できる図解ができれば、内容にも納得できるのです。

図解で伝えると
相手も理解しやすく、理解の個人差が生まれにくいのです。

一番良いのが
「私は、ここは○○だと思う」と図解の部分を示して
意見を言ってもらえることです。

すると、情報の伝達だったことが
より良い情報を創るための協同作業となります。

複雑な内容を伝えるには、是非図解に挑戦してください。

図解思考は発想力+設計力

図解:図解思考は発想力+設計力

私は、始めは分かりやすく表現するため、上手く伝えるための方法として
「図解」を考えていました。

頭の中のモヤモヤした情報を整理しよう
顧客の要求を整理しよう
と図解を使っていました、

でも、「整理」というアプローチではダメだと気がつきました。

自分の頭の中にある陳腐な情報、顧客のその場の思い付きの情報を
いかに整理しようとも、見栄えよく表現しようとも...
その内容に情報としての価値が無ければダメです。

昔、女子大生に「企画書を見て、アドバイスください」と言われて
渋谷の喫茶店で会ってみてあげたことがあります。
見た瞬間に「きれいに書けているけど、中身がないね~」と
つい本音を言ってしまいました。
私もまだ若かったのです。
それっきり、音信不通ですが...

では、どうすれば価値ある情報を組立てられるか?

たくさんの図解パターンやフレームワークを使ってみました。

ですが..
目的にマッチすれば、非常に簡単に情報を集めていけます。
自分の知らない情報を手に入れることができ
分かりやすく整理して表現することができます。

ですが、内容がマッチしないテーマでは無力です。

では、どうするか?
と考えることから「図解思考」となりました。

表現する前に、
 発想を広げ、情報を集めること
 集めた情報を、論理で組立てること

が必要です。

論理で組立てると
 ・ヌケ
 ・ダブリ
 ・矛盾

が見えます。

これを新たな出発点にして発想を広げます。
これを繰り返します。

繰り返すごとに、内容の完成度が高まります。

ここで必要なことは

 1.発想力
   問いをたたて発案する
   発想を広げられないと、価値を高める材料が集まらない

 2.設計力
   情報を設計する
   論理的に組立てられないと、価値があっても論理で説得できない
 
価値あるアイデアを分かりやすく表現するには「発想・設計」が重要です。

これが図解思考です。

ただ、図解パターンやフレームワークのように覚えたらすぐに使える
とはなりません。

コツコツ練習が必要です。

発想力も設計力も簡単には身につきません。
でも、コツコツ量をこなせば誰でもできるようになります。

その方法論を伝授するのが図解思考講座です。

図解思考ができると
 ・顧客の要求を正しく理系できます
 ・納得できる企画書、提案書が作成できます
 ・通るプレゼンができます
 ・営業ツールにも活かせます
 ・業務マニュアルも作成できます
 ・トラブルの発生を構造化して原因を探れます
 ・仕事の関係者との情報共有、伝承が出来ます。
仕事の様々な土台となるのが図解思考です。

一度、自分の仕事を図解で構造化して見ましょう。