「現場の知恵」を蓄積・活用する「考動知図」

「現場の知恵」を積上・活用する「考動知図」(こう・どう・ち・ず))

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2020年

過去と未来は自由にコントールできる

図解:過去と未来は自由にコントールできる

過去の事柄で、後悔や反省に捕らわれていませんか?
不確定な未来で、不安で身動きでき無くなっていませんか?

今、現在は過去の蓄積でできています。
未来は、過去から続く現在の行動で変化していきます。

「過去は変えられない」と言います。
確かに変えられません。

その時点では
悲しかったこと、辛かったことも
未来を創る材料にすることができます。

過去を
否定することもできれば
財産にすることもできます。

客観的な過去はありません。
過去は、様々に読み替えることができるのです。

未来は、不確定です。
だから生きられるのです。

現在の時点で思い描く未来は幻想です。

未来は
 ・妄想する
 ・想像する
 ・創造する
ものです。

その材料になるのが過去です。
 
過去を材料にして未来を築きます。

過去に、どんな価値があるのか?!

過去に価値を見いだすためには
 ・掘り起こす
 ・読み変える
 ・再定義する
ことです。

どんな過去も、未来を目指して読み替えることで
過去を財産にすることができます。

未来の自分を豊かに充実させるために、
過去を材料にし未来を創りましょう。

養老孟司氏の言葉
「人間は物理現実なんか生きてない」

寺山修司氏の言葉
「過去を変えるのは人間だからこそできるんだし、
 むしろそれが人間にとっての自由なんだ」

図解は情報の構造化

図解は情報の構造化

図解は、情報の構造化です。

構造化とは..
単純な要素同士の関係を整理して、構造に組立てること。
どんなに複雑な内容でも、単純な部品の組合せでできています。

よく使われる図解パターンも構造化のための方法論です。
ただ、図解パターンでは簡単な内容しか構造化できません。

これからのビジネスは、
 ・物を仕入れて売る
 ・物を作って売る
というような単純なモデルはなくなります。

物は仕入れている、物を作っている、そして売っている。
でも、そこに「事」の要素が大きく絡んできます。

これからは「商品=物+事」となります。
同じ「物」を売っているが、
まったく違うビジネスになるのが普通のことです。

これからのビジネスでは、
この「事」を創ることが求められます。

では、どうやって「事」を創るのか?

裏紙に、思いつくことを箇条書きにして
どんどん書出して、まとめていく..

このやり方で、できるでしょうか?
できた「事」に、自信が持てるでしょうか?

問題なのは、その「事」を使った事業が始まってから
 ・ここが抜けている 
 ・このやり方がおかしい
 ・この部門にしわ寄せがくる
 ・顧客に理解してもらいにくい
 ・二度手間、やり直しが起こる
などなど、トラブルが発生することです。

後から思えば、
事前にチェックできることなのに
 ・それが出来ていない
 ・やったつもりだが不完全
ということが起こります。

解決策は、構造化することです。

構造化することで
 ・ヌケ
 ・ダブリ
 ・矛盾
を論理的に発見できます。

発見したら直せば良いんです。

事業スタート前の企画段階で発見出来れば
実害はありません。

そのために、図解を使って構造化することで
事業の仕組みとしての完成度を上げることが必要です。

図解は、情報を構造化する事が得意です。

単純に、図解パターンに当てはめて「できた!」を
卒業しましょう。

図解パターンでの、たくさんの練習は
図解思考の基礎力となります。
たくさん作成した経験は、大いに役に立ちます。

「学び」を促進する経験

図解:「学び」を促進する経験

仕事では、自分を成長させるチャンスに出会います。

でも、そのチャンスは
 ・困ったこと
 ・悩むこと
 ・大変なこと
 ・苦しいこと

という面を持っています。

そのチャンスを整理すると
●初めての仕事
  まったく未経験で知識もない
  自分の知らなかった世界が広がります
  → 知識を吸収するチャンス

●不慣れな仕事
  慣れない仕事では、誰もが苦労します
  ぶつかって、つまずくことが未来につながります
  → 習熟度を高める伸びしろがあるということです

●失敗・トラブル・クレーム
  自分が気がつか無かった点を指摘してもらえます
  誰でも、どこにでもあります逃げずに向き合いましょう
  → 問題の解決への思考体験を積めます

●高い責任への就任
  抜擢されて昇進したら現場から離れます
  人や仕事を管理する仕事は現場とは大違い
  → 仕事をそれまでと違う視点で捉えられます

●社会の変化
  社会の変化で、衰退する産業や職種、伸びる産業や職種が変化
  会社も自分もどんどん変化しないと生き残れません
  → 変化に対応する体験へ

●範囲を超えて働く
  今まで事務をやっていたのに営業もやることになったら..
  喜んで取り組んでみましょう、新しい自分が発見できます
  → 多様な体験を得られることは未来につながります

これらは、すべて自分と環境への挑戦です。

昨日と同じ事を今日やって、
今日と同じ事を明日もやる…

これでは成長しません。

成長には
 ・困ったこと
 ・悩むこと
 ・大変なこと
 ・苦しいこと
が必要です。

これらがふりかかってきたら
従来の思考方法や行動を見直すチャンスです。

新しいやり方を考える機会を得たのです

問題解決では図解思考で現状を「観察」する

図解:問題解決では図解思考で現状を「観察」する

問題解決は
 ・現状を確認して(before)
 ・行動して(どう行動するか考え)
 ・期待する結果を得る(after)
ということです。

重要なことは「正しい現状分析」です。

では、どうやって現状分析するのか?

現場に入って担当者に取材します。

ここに問題があります。
担当者の力量に寄って取材内容が異なるということです。

要するに、
 ・見える人
 ・見えない人
がいます。

優秀な人は、
目の前に見える現象に影響されず
見えない原因をも理解しています。

優秀でない人は、
目の前に見える現象以上には理解していません。

問題解決で、期待する結果を得るためには
期待する結果につながる行動が必要です。

では、結果につながる行動とは?
と「思考する」ことです。

その考える材料になるのは
困った状況を正しく確認することです。

ここで
見えない原因を「観察」するために
 ・問いを立てて自他に質問する
 ・構造で考えて想像を広げる
ことが必要です。

そのため方法が、「図解思考」です。

図解思考することで
 ・現象を観て、それを出発点にして
 ・見えない原因を察する
ことができます。

正しい問題解決には、正しい現状分析が必要です。

「PDCAサイクル」を回しているという錯覚

図解:「PDCAサイクル」を回しているという錯覚

仕事で「PDCA」を使っている人は多いと思います。

私自身、何度もお世話になりました。
とても役に立つ考え方だと思います。

  Plan  (計画)  実行計画を作成する
  Do  (実施・実行)計画に沿って行動する
  Check(点検・評価)計画に沿っているかを確認する
  Act (対策・改善)計画・実行の調整処置をする

計画を立て、実行し、計画通りか確認し、対策を立てる。
仕事で
 ・品質の向上
 ・効率アップ
には、とても重要な考え方です。

でも、問題は...
自分の頭の中では「PDCA」しているつもりだが

現実は..
 ・思いつき Plan(計画)
 ・これでできると、検証しないで
 ・考えないで Do(実施・実行)
 ・結果が出ない
そして、思いつきPlan(計画)

これは「PDCAもどき」です。

これでは、PDCAを回したことになりません。
「思いつき」は、成果につながる計画になりません。
正しく計画されないと「Check」はできません。
「思いつき」が外れたしかないのです。

そしてまた、これならどうか?
と「思いつき」を繰返すことになります。

「PDCA」を回しているという自己満足、錯覚です。

実は…
しっかり「PDCA」するには
 ・前提条件が明確で
 ・知識や経験がある
 ・計画する要素を頭に思い浮かべられる
とういうことが必要です。

これらをしっかり確認して「PDCA」を回して
成果につなげましょう。

図解思考は「言語化→構造化→言語化」

図解思考は「言語化→構造化→言語化」

何か問題が発生した時に、どう改善するのか。

まず必要なことは、「言語化」です。
よくやるのが、コピー用紙の裏紙に
箇条書きで、どんどん書出すことです。

書出す箇条書きの言葉は
 ・困った状況を定義
   現状分析するための材料
 ・どう改善したい
   目的や目標を定義
というために使います。

ここから
箇条書きを使って、状況を構造で理解します。

今の困った現象を引き起している要素は何か?
 ・要素をまとめ
 ・因果関係を整理する
これが構造化です。

構造化できると
どこに真の原因があるか自然に見えてきます。

箇条書きの羅列では見えなかったことが
構造化することで見えてくるのです。

見えたら直す。

どの部分を、どう直すのか

図解で改善策を立てることで
 ・要素を入替えると
 ・因果関係が変化する
と、どういう状態が発生するのか
こうやると「こうなる」という
仮説を立てることができます。

これを図解を使って、言葉に表現することで
分かりやすく伝える(プレゼン)することができます。

問題解決では
 ・言葉で定義すること
 ・構造で理解すること
が重要です。

図解思考を活用することで
この2つの分野を上手くできるようになります。

図解思考の出発点:「考える」を辞書で調べると..

図解思考の出発点:「考える」を辞書で調べると..

図解思考とは、思考すること、考えることです。
より良く考えるために、価値のある成果を生み出すために
図解を使って思考する・考えることです。

三省堂 大辞林 第三
 ・考えること。また、その考え
 ・知的作用の総称。
 ・物事の表象を分析して整理し、あるいはこれを
  結合して新たな表象を得ること。
とあります。

要するに「思考=考える」と定義していいですね。

図解する時、最も重要なことは「明快な言葉」を使うことです。
あやふやな定義では誤解されやすくなり図解表現の意味が無くなります。

その時に、頼りになるのが辞書です。
悩んだ、困ったときに頼りになります。

では、本題に戻ります。

「考える」とは、具体的にどうするのでしょうか?

「考える」ということの特徴は
 ・同じ場面で
 ・同じテーマで
 ・同僚どうしで
考えても、人によって考えた結果が大きく違う
ということです。

「考える」は、頭の中の行為なので見えません。

上司から「もっとよく考えてくれ」と言われます。

そこで指摘されることは
 ・もっとしっかり考えてくれないと困る..
 ・もっと視野を広くもって考えないと..
 ・考えが浅い、もっと深く考えないと..
 ・頭が固い、もっと柔軟に考えないと..
 ・難しく考え過ぎなんだよ、もっとシンプルに..
 ・少しは自分の頭で考えて..
などです。

では、
・「しっかり考える」とは?
・「視野を広く考える」とは?
・「深く考える」とは?
・「柔軟に考える」とは?
・「難しく考える」とは?
・「考え過ぎ」とは?
・「自分の頭で考える」とは?
と、大いに疑問です。

どうやったら、上手く「考える」ことができるでしょうか?

「考える」を辞書で調べると、

●三省堂 大辞林 第三版
 物事について、論理的に筋道を追って答えを出そうとする。
 さまざまなことを材料として結論・判断・評価などを導き出そうとする。
 計画する。意図する。
 工夫して新しいものを作る。
 比較検討や占いの結果に基づいて判断する。

●小学館提供の『デジタル大辞泉』
 知識や経験などに基づいて、筋道を立てて頭を働かせる。
 判断する。結論を導き出す。
 予測する。予想する。想像する。
 意図する。決意する。
 関係する事柄や事情について、あれこれと思いをめぐらす。
 工夫する。工夫してつくり出す。
 問いただして事実を明らかにする。
 占いの結果を判断・解釈する。

●広辞苑
 実情を調べただす。吟味する。
 思考をめぐらす。あれこれと思量し、事を明らかにする。思案する。
 易えきなどによって事を判断する。
 学ぶ。学習する

●大辞林
 物事について,論理的に筋道を追って答えを出そうとする。思考する
 さまざまなことを材料として結論・判断・評価などを導き出そうとする。
 それが…である,という感情や評価をもつ。
 結論を出すための材料の一つとみなす。
 計画する。意図する。
 工夫して新しいものを作る。
 比較検討や占いの結果に基づいて判断する。

となっています。

このままでは、「考える」がわかりません。

「考える」ということを、具体的な方法論にしたのが図解思考です。

来週は、この続きを一歩深めます。

9月のZOOM講座では、この「考える」方法論から入ります。
ご期待ください。

相手の発言の「意図」を正しく理解する方法

図解:相手の発言の「意図」を正しく理解する方法

取引先の社長に提案を求められたときに..

一生懸命に提案書を創って持ってくと
期待して依頼したのに、
 「何を聞いていたの?」
 「期待外れだ!」
 「こんなこと、頼んでいない!」
というように言われたことはありませんか?

でも、自分では
相手の社長の発言を一言一句聞き漏らさずに
メモし議事録で確認し、提案書に盛り込んだ。

このように言われても、
何が、どうなっているのか?

議事録で、1項目ずつ確認すると
 「確かに、そう言った」
 「でも、そこはそう言う意味じゃない」
 「プロなんだから、理解してくれると思った」
というような反応が返ってきます。

要するに
「口で言った言葉 ≠ 心で望んでいる期待」
ということなんです。

「口で言った言葉」だけで、提案書を作成しても
意味が無かったのです。

受身で聞きました。
その通り行動しました。
これでは、まったくダメだったのです。

では、どうするか!!

「口で言った言葉」を出発点に
問いを立て
 ・自分の過去の蓄積を探り
 ・相手の背景を探る
ことで、考える情報を広げる

自分の過去の蓄積から関連する情報を集めることで
何を問いかけたら良いのかも見えてくるのです。

相手に問いかけることで
相手自信が意識していなかった事柄に気がつ来ます。

この自分や相手に問いかけることを行うことで
「口で言った言葉」の3倍・4倍の情報を
得ることができます。

潤沢な情報を手に入れることで
顧客の期待に応えることができる土台ができます。

企画や提案をするために必要なことは
 ・考える技術
 ・考える材料

この2つです。

企画力や提案力があると言っても
「考える材料」が陳腐だと残念なことになります。

相手の発言を有益な考える出発点にするために
問いをたて潤沢な情報を手に入れましょう。

図解と文章の関係

図解:図解と文章の関係

図解って、どうやれば書けるのか?

一番重要なことは「主張」があることです。

図解ができない理由に
この「主張」が明確でないというのがあります。

よくあるのは
手持ちの情報を、四角や丸、線で結んで
図解表現しているのですが
「それで、何に?」
「何が、言いたいの?」
となり場合です。

図解している本人には、明快な主張があると思っているのですが
その図解を見ても、理解できない言葉が並んでいるだけ
だったりします。

次に重要なことは、主張を組立てる材料です。

この「主張」の
 ・内容
 ・裏付け
を図形や線で構造化するのが図解です。

しっかりした内容、納得できる裏付けを情報として得ること
そして、情報を構造化することで図解になります。

内容が陳腐、構造化が弱いとなると図解になりません。

この構造化は、
一般に言われる、プロットと考えると分かりやすいです。
プロット(plot)とは
 素材となる出来事を語る順番で並べなおしたもの
 出来事を面白く「語る」ために加工したもの
です。

このプロットに、肉付け
 ・根拠となる事実
 ・理解をうながす体験
をストーリー展開することで文章になります。

逆に、文章を要約すると
プロットになり、図解にできます。
これを要約すると主張になります。

図解が、上手く書けないと悩んだ時は、
 ・図解→主張
 ・図解→文章
というように、抽象度を上下して考えましょう。

完成度の高い図解は、この上下が上手くできます。
できないと、
 ・主張に問題があるのか?
 ・組立て材料に問題があるのか?
 ・組み立て方に問題があるのか?
ということが発見できます。

熟練者のノウハウを引出し活かす方法

図解:ノウハウの共有化は受容者にかかっている

現場のノウハウは、社員の頭の中にあります。

長く勤めていて、
優秀な社員の頭の中にはたくさんあります。

日々、仕事の現場で発見し
それを使って成果を上げています。

充実したノウハウを積上げている社員は
安定した成果を上げ続けることができます。

そして、そのノウハウの充実によって
右肩上がりになることが見込めます。

だんだんと、優秀な社員とそうでない社員の
差が広がってきます。

だったら優秀な社員の頭の中にあるノウハウを
社内で共有すれば良いではないかとなります。

でも、それがなかなか難しい。

ノウハウ共有が上手くいかない理由が2つあります。

1つ目は、ノウハウが顕在化していないこと。

ノウハウを持っている人が、「これがノウハウ」と言って
書き貯めているわけではありません。
人によって、分野によって様々です。

ノートに書いてあったり、メモだったりします。
書いたものが全くなく、頭の中だけということもあり。

まったく意識されていないことが多いのが現実です。

そのために、文書化しようとすると
アウトプットの訓練が必要です。

訓練しても簡単には、表現できるようになりません。
水泳をパワポで習っても、すぐに泳げないと同じです。
練習が必要です。

2つ目は、ノウハウを引出す力は個人に依存すること

現場体験からノウハウを創り出せなくても
優秀な人の行動を見て質問して理解することはできます。
優秀な人の行動から学ぶことが出来れば近づくことができます。

でも、この観察力や理解力は個人の能力に
大きく依存します。
学歴とか年齢とは、関係ないのではと思います。

あまり学歴が高いと、学歴が低いが優秀な人から
素直に学べないというバイアスがかかることがあります。
もったいないです。
高い学歴を持てるという優秀さを活かして欲しいのですが。

でも、ことわざにあるように..
馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない
のです。

では、どうやってノウハウを共有するか。

一番現実的なのが
アウトプットできる人に入ってもらい
どんどん書出していくことです。

書出されたものを見ると、誰でもケチをつけられます。
それが良いんです。
ゼロからは書けなくても、改良の意見は言えるのです。

ケチをつけるということは
自分の意見があるということです。

同じ仕事をしていても
少しづつやり方が違ったりします。
Aさんに合わすのか、Bさんに合わすのかではなく
「仕事の標準」として、
どうやるの適切かを
みんなで議論して探っていけばいいんです。

これはアウトプットの練習となり、
現場で考える考え方を身に付けることにつながります。

人も、組織も成長していくには
現場で「気づき・考え・工夫する」が基本となります。