「現場の知恵」を蓄積・活用する「考動知図」

「現場の知恵」を積上・活用する「考動知図」(こう・どう・ち・ず))

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図解思考

不完全な図解のダメ出し、2つの「粗」とは!

図解:不完全な図解のダメ出し、2つの「粗」とは!

文章を読んでいると
読んな文の順に理解するので「粗」は見えにくいのです。

それが図解になっていると「粗さがし」は簡単です。
2つの「粗」が丸見えになります。

その「粗」とは

1つ目の「粗」は、主張の「粗」

  主張が適切でない
 
  ・目的に合わない主張
    目標に向かっていない、つながっていない
    ..「それが、どうしたの?」となります

  ・不完全な定義
    曖昧な意味・不明瞭な言葉が使われている
    ..「何に?、何んなの?」となります

2つ目の「粗」は、構造の「粗」

  主張を支える組立てになっていない
 
  ・論理的な組み立てができていない
    論理の組立が不完全なのです
  
  ・組立て部品が適切でない
    主張を支える土台としての事実が正しく選ばれていない

  要するに、「論理的な組立てになっていない」
  ということです。

図解にすると、「粗」が丸見えになります。

実は、これが図解の良いところです。
「粗」が見えるということは、修正できるということです。

長い文章で表現すると、推敲したとしても
論理構造の粗は見えにくくなります。

自分ではしっかり考えて書いたつもり
でも相手から見ると不完全。

こんなことは良くあります。

一生懸命頑張りましたといっても
企画や提案内容が論理的でないと理解されず通りません。

図解は、自分の考えをロジカルチェックする表現方法でもあります。

図解思考は、情報を可視化して価値を高める思考方法

図解:図解思考は、情報を可視化して価値を高める思考方法

図解思考を簡単に言うと..
見えている一片から、見えない部分を補って
アイデアの完成度を高める技術です。

企画書・提案書で図解するときに悩むことは
上手く図解表現できないことです。

頭の中にあるのに..
 ・上手く整理できない
 ・分かりやすく表現できない
ということです。

そこで、思考の整理方法や表現方法として
図解を考えるのですが...

現実は
自分の頭に中にある情報を図解しても
相手が認める価値には程遠いのです。

そうなんです、頭に浮かんだ事柄を
 ・整理
 ・表現
するだけでは役に立ちません。

価値ある情報をに組立てるには

 1.自分の知っていて、気が付いたこと
 2.自分が知っていて、気が付いていないこと
 3.自分は知らないが、価値を高めるために必要なこと

この3つの情報を取り込んで
そこから
 ・目的を明快に定め
 ・どうまとめるか整理して
 ・相手に合わせて表現する
という手順で進めます。

必要なことは
1番目の「自分の知っていて、気が付いたこと」を出発点に
2番目の「自分が知っていて、気が付いていないこと」を探り
3番目の「自分は知らないが、価値を高めるために必要なこと」に
情報を広げていくことです。

これが
見えている一片から、見えない部分を補ってアイデアの完成度を高める技術
と言っていることです。

では、どうやって
「自分の知らないこと」を広げていくことが出来るのか?

思いつきを裏紙に箇条書きを書き出すだけでは無理です。
ここで、頑張れとか相手の立場に立ってとか
鳥の目、虫の目、…と言っても発想できません。

必要な事は、
 ・視点の移動
 ・その視点から問いをたて、
 ・自分や相手に質問し
 ・情報を広げていく
事です。

図解思考には、この視点移動の方法として創りました。

情報が図解思考で集めると情報の
 ・ヌケ
 ・ダブリ
 ・矛盾
が見えてきます。

ここから、その情報を出発点に問いを立てて
質問をしていきます。

繰り返すたびに
 ・見えていなかったことが見えてきます
 ・気が付いていない目的に気が付きます
 ・情報を組み合わせることで
情報の完成度と価値が高まっていきます。

ただ、図解思考の方法論を学ぶだけでは使えません。

練習が必要です。
練習しないで、「できる」ようになりたいといっても無理です。

よく言うのですが、オリンピックの水泳選手に
パワポで泳ぎ方を習っても泳げるようになりません。

誰もが、当然と思います。

図解思考も、全く同じです。

コツコツ繰り返し練習することで、誰でもできるようになります。

同じテーマで議論しても発言内容はみんな違う

図解:同じテーマで議論しても発言内容はみんな違う

同じ職場で同じテーマで、話しても
参加者の意見が全くバラバラという経験はありませんか?

Aさんは、
 ・これをやれば大丈夫!

Bさんは、
 ・ほんと?、それででできるの?

Cさんは、
 ・この前の手順で進めよう!

Dさんは、
 ・以前やって上手くいった!

...

と意見が出てきた頃に

 ・そもそも、何のため?
 ・それを、やる意味はあるの?

と、議論の最初に引き戻されることがあります。

でも、それは、最初に引き戻されたのではありません。

重要な、議論の土台を確実にしないで
具体的な、作業(タスク)を積み上げる方法を
決めようとすることに無理があるのです。

何をやるか!「What」
どうやるか!「How」

これらは、
何のために!「Why」が土台になります。

この「Why」を確実に決めないで
それ以降を議論しても意味がないのです。

人によって、
 ・立場が違います
 ・見えている世界が違います
 ・興味や関心ごとが違います
 ・知識や経験が違います
 ・得意分野が違います
みんな発言の土台が違うのです。

だから、議論しても出てくる言葉が違うのです。

違いを整理すると
 ・Why「何のために」から考える
 ・What 「何をするのか」から考える
 ・How「どうするか」から考える
 ・Plan「実行計画」から考える
 ・Do「実行できるか」から考える
この5分類できます。

これを、混在させて議論するのでわかりにくくなるのです。

どのアイデアを話しているかを整理することが必要です。

実は、違うから良いのです。

この違いを上手く活かすことがアイデア会議には必要です。

一番、もったいないのは...

期待する議論が出来ていないときに
上から目線で「何で、俺の言うことが理解できないんだ!」と
いうことです。

期待する議論ができていない一番の原因は
  Why「何のために」
が明確でない状態で議論に入ることです。

外注に仕事を依頼するときにも同じです。

自分では、しっかり依頼したつもりでも
現実は、
 Why「何のために」
があやふやで依頼しているのです。
あやふやだから、期待する提案が出てこないのです。

「そんなことはない、しっかり目的は伝えている」
と反論も出てくるのですが...

その伝えていることは
 ・上手くいけばいいんだ
 ・しっかり儲けることだ
 ・みんながちゃんと動いてくれればいいんだ
というような抽象度の高い言葉で語っています。
確かに目的だけれど、これでは役に立ちません。

目的と手段は、階層構造になっているのです。

適切なレベルの「目的 → 手段」の定義が必要なのです。

目的と手段の階層構造は、次回の図解思考メルマガで!

目的と手段の階層構造 

図解:目的と手段の階層構造 

こんな困ったは、ありませんか?

社長が現場にでて、あれこれ指示します。
でも、現場の立場で考えると
ピントがずれています。

社長の頭の中にある目的は明確です。
「これから始める新規事業が成功すること」です。

確かに、それは間違いないことです。
でも、それを現場に求めたらどうなるのでしょうか?

社長の目的は、
部下である部長に仕事をしてもらい実現します。
社長にとって、部長の働きが手段となります。

部長の目的は、
部下である課長に仕事をしてもらい実現します。
部長にとって、課長の働きが手段となります。

このように、上位の

ある目的(何をする)は,
その目的から見れば「手段」となるのです。
この関係が、上から下へとつながっています。

これを、「目的と手段の階層構造」と言います。

手段の正しさを確認するには、
その手段を選択した目的との整合性の確認が必要です。

それをせずに、
最上位の社長の目的と比べて
現場の動き(手段)に問題があると言ってしまうのは
どうなのでしょうか?

明らかに、問題のある行動(手段)の場合もあるでしょう。
でも、多くは現場の上位(係長)の持っている目的を実現する
手段としての現場の動きがあるはずです。
そことの整合性が取れているかどうかの確認は大切です。

全く別の例で言うと..
上司から、提案書の作成を依頼されたときは。

企画や提案について知識・経験の低い上司だと
目的を
 ・その提案書をもっていけば
 ・話を聞いてくれて
 ・納得してくれ
 ・契約する
という提案書を創れと言います。

でも、その相手先と提案内容によって
目的と手段を考える必要があります。

上司にしてみれば契約できればいいんだなんでしょう。

相手先も提案も初めてなら3段階での提案が必要です。

1段階目:提案できる環境を創る
     顧客の実情を把握するため
2段階目:顧客担当者との協同作業する
     どうなったら満足を引き出せるかを一緒に考える
3段階目:契約を迫る提案
     提案の最終段階

というように、段階によって提案の目的が異なります。
目的が異なるので、手段となる内容も異なります。

最終目的の「契約を勝ち取る」ということに対して
1度では実現できないので3つの手段に分割しました。
そして、それぞれには異なった目的と手段があるのです。

仕事を作業に組立てるときには
「目的と手段の階層構造」の関係を意識しましょう。

「今更、目的や目標の確認..分かってるだろう」
などと部下を叱責するのはやめましょう。

図解思考から図解表現への手順

図解:図解思考から図解表現への手順

「図解思考って、一言でいうと?」と
言われることがあります。

それには
論説文のダイジェスト版」と応えます。

しっかりした目標(主張)があって、
それを
 ・内容が具体的に展開されている
 ・主張を支える根拠が明快にある
 ・しっかりとした論理の筋道がある

ことが必要だからです。

論説文を図解表現することは簡単です。

内容がしっかり組立てられているからです。

よく「文章なら書けるけど、図解は難しい」
という人がいます。

現実は、
内容のあやふやな文章を書いているのです。

つい
 ・気持ちは分かるけど
 ・何が言いたいの
 ・どうしたいの
 ・何を期待している
と、突っ込みたくなります。

文章だと、思いつきをそのまま書けます。

何度も推敲すると
一生懸命やったという自分への言い訳もできます。

でも、構造的な理解の低い推敲では
何でも小手先の表現を変えるレベルでは
本来の推敲にはなりません。

論説文が書ける人以外は
本人は、一生懸命頑張って良いものが書けたと
思っているのですが..
実際は、あまり役に立たないものが出来上がります。

では、普通の人がしっかりした内容の図解を書くには。

この手順で進めると上手くいきます。
 
 1.言葉にする
   書きたい内容を箇条書きにします

 2.箇条書き同士を組み合わせて関係のモジュールを創る
   主張を体系化する最初の段階です。
   組み合わせ方は
    ・比べる:関連や対立関係
    ・並べる:因果関係や段階・時間経過・手順
    ・組立てる:抽象化・具体化・包含関係
   これで組み合わせると
    ・抜け
    ・ダブり
    ・矛盾
   が見えます。
   見えたら修正します。
   何度も、この修正を繰り返すと完成度が高まります。
   論理的に正しい「関係のモジュール」が出来上がります。
   
 3.「関係のモジュール」同士を組み合わせます
   「関係のモジュール」を
   たくさん組み合わせれば複雑な内容を表現でき
   少ない組み合わせなら簡単な内容を表現できます。

この考え方の良いところは、
普通の知識や才能でも、
コツコツ繰り返し何度も試すことで
複雑な内容でも高いレベルで
組立てることができるということです。

コツコツやれば誰でも図解できます。
  

図解思考 「モノ」の組立て方で「コト」を組立てる

図解思考 「モノ」の組立て方で「コト」を組立てる

企画書・提案書の作成で困ったことはありませんか?
 ・喉まで出かかっているのに、言葉にできない
 ・頭の中のもやもやを、分かりやすく整理できない
 ・頭の中にはあるが、上手く表現できない
 ・良いアイデアはあるのに、企画にできない

というような悩みが多いのです。

実は、長く図解をしている私の悩みでもありました。

私自身、
頭の中のもやもやを、
 ・どう整理しようか
 ・どう分かりやすく表現しようか
と図解を始めました。

そこで、出てきたのが図解パターンです。

知人からも、
 「池田さんはたくさん図解しているんだから
  使いやすい、図解パターン作れるでしょ。」
と、何人からも言われました。

創ってみました。
それまで、たくさん創った図解を見ながら
図解パターンになるものを選び出しました。

でも、それを作ってみて気づきました。

自由に組み立てられない
ということに気が付きました。

企画や提案は
 ・ビフォーをアフターへ
 ・自社商品と競合商品を比べる
 ・問題解決のための課題を組み立てる
 ..
などの「事」を組み立てることです。

図解パターンに合う内容なら使えるが
複雑な内容では、どうにもならないと感じました。

そこで、気がついたのは
 ・物(モノ)の組み立て方で
 ・事(コト)を組み立てること

です。

車でも、パソコンでも、飛行機でも
物は、ナットやボルトなどの小さい部品が組み合わされモジュール化され
それらが組み合わされてだんだんと複雑な製品に組みあがっていきます。

この「物」を組み立てる考え方で
「事」を組み立てれば
簡単な内容から、複雑な内容まで
自由に組み立てることができます。

では、図解パターンは不要なのか?

図解パターンも重要な表現方法です。

図解思考で、複雑な内容を考えるには
図解パターンでたくさん表現した基礎力が必要です。

まずは、たくさん図解パターンを使って
企画書・提案書を作成しましょう。

限界を感じたら..
図解で考える基礎力ができた状態です。

次の、図解思考に挑戦しましょう。

「分かりにくい」ことを大切にしよう

図解:「分かりにくい」ことを大切にしよう

図解をやっていて
図解は情報を「分かりやすくする」表現方法
と言い続けているのに..
矛盾があると思われるでしょう。

でも、「分からない」、「理解できない」も重要です。

ここで
「分かる」を阻む4つの要素を考えました。

  テーマの難易度
   ・構造が複雑(複雑だと理解できない)
   ・量が多い(考える要素が多すぎると理解できない)

  自分の理解力
   ・知識、経験(知らない・体験は理解の土台)
   ・論理構築力(自分の理解する力)

この4つの要素によって
「分かる・理解できる」が決まります。

もし、簡単に理解できることだけを追求したとしたら?
いつまでたっても、自分の理解できる範囲は広がりません!

自分が理解できないのは、相手の説明が悪いからだと思ったら?
自分の理解力は高まりません!

相手の説明するときに
どんなに図解して分かりやすくしようとしても
そこには、相手の理解の限界があります。

自分が理解する時に
一生懸命に説明されてもわからい場合があります
それは、自分の理解力の限界なのです。

私の体験ですが
1枚の図解をして、そこでは理解したつもりでした。
でも、数年後にその1枚の本当の意味を理解したことがあります。
「ああ、そうだったんだ!」
それまでは、「分かったつもり」の自分がいたのです。

分からないことを大切にすることが必要です。

タモリさんも、あるTV番組の中で
「わからないことは わからないでいい」と言っていました。
まさに、と思います。

「考える」って、具体的には何を・どうすること?

図解:「考える」って、具体的には何を・どうすること?

「考える」とは、何をすることなのか考えました。

「考える」って
 ・同じ場面で
 ・同じテーマで
 ・同僚どうしで
考えても..
人によって「考えた」結果が、大きく違います。

この違いは、どこから生まれるのでしょうか?

人によって「どう考えるか!」
考えるという行為が違うということです。

管理職が部下に
 ・もっとしっかり考えてくれ
 ・視野を広くもって
 ・考えが浅い
 ・もっと深く考えないと..
 ・頭が固い
 ・もっと柔軟に考えないと..
 ・難しく考え過ぎなんだよ
 ・もっとシンプルに..
などと言うことがあります。

でも、これって指導になっているのでしょうか?

「考える」を形容する言葉
 ・もっと
 ・しっかり
 ・深く
 ・柔軟に
 ・シンプルに
でも、具体的にどうするのでしょうか?

「考える」とは?
 ・なに?
 ・具体的には?
 ・どうやるの?
と疑問が湧きます。

「考える」方法論として知られているのが..
 ・鳥の目になって考える 
 ・虫の目になって考える 
 ・魚の目になって考える 
 ・コウモリの目になって考える
 ・箱を大きくして考える
 ・相手の立場に立って考える
では、これで「考える」が実現できるのでしょうか?

この言葉を図解してみると..
情報を集めるために
「視点の移動」を示唆しているだけです。

手元にある情報を出発点に
視点を移動して、広く情報を集めるための
方法論でしかありません。

  図解思考の出発点:「考える」を辞書で調べると..
  http://www.teoria.jp/?p=2967

この辞書で調べた「考える」を整理すると..

大きく3つに分かれます
 1.情報を集める
 2.情報を創る
 3.考える副産物「学ぶ・学習する」
   これは、上2つの副産物と言って良いと思います

となります。

考える行為は、この2つで考えます。

 1.情報を集める
   手持ちの情報を出発点に
   「視点移動」で情報を集める
   必要なことは、「問いを立てる」こと

 2.情報を創る
   手に入れた情報を整理・吟味し
   「企画・編集」で情報を創る
   必要なことは、「要素を組立てる」こと

そうです、しっかり「考える」ためには
この2つを
 ・意識すること
 ・方法論を持つこと
が必要になります。

方法論とは何か?!
例えば、
 コピーの裏紙に
 思いつくままに、
 どんどん箇条書きを書くんだ..
これは、方法論として成立つでしょうか?

必要なことは
 ・視点を移動する方法
 ・組立てる方法
です。

図解思考は
「9つの基本形」を使った
 ・視点を移動し「問いを立て」
 ・関係を整理し「組立てる」
方法論です。

図解思考では現状を「観察」することから始める

図解:図解思考では現状を「観察」することから始める

図解思考で目指しているのは

 ・現状を正しく理解し
 ・目指す目標を定め
 ・実現のための行動を組立てる

ということです。

そのために、思いつきや当てずっぽうではなく
目標実現のための行動を組立てることです。

そこで、最初に必要なことは
現状を正しく確認することです。

現状の確認の特徴は
 ・見える現象
 ・見えない原因
があることです。

これを考える言葉が「観察」です。

 ・観:現象を観る
    観光の「観」
    見えている現象をしっかり見ること

 ・察:見えない原因を察すること
    おしはかる、推測すること

この「察する」能力に大きな個人差が出て来ます。

私が、図解を始めたキッカケが
この「察する」ことの必要性を感じたことでした。

相手の言っている言葉を一言一句、漏れ落ちなくメモし
要求されたことを満足させたと…
自分で思っても。

相手の抱える背景や過去の経験を把握が必要です。

相手の発言の言葉だけでは正しい把握はできません。

そのために図解を使って
 ・問いを立てて自他に質問する
 ・構造で考えて想像を広げる
ことが役に立ちます。

会社に「現場の知恵」が積み上がらない理由

図解:会社に「現場の知恵」が積み上がらない理由

現場から帰ってきてパソコンに向かっていると..

上司に、このように言われることがあります。
 ・さぼっている暇はない
 ・さっさと仕事をしろ

現場で「作業」を長くやって管理職になった人は、
机に向かっていると遊んでいるように見えます。

担当者自身でも
早く現場に戻らないと..
仕事をまわしていけない場面はたくさんあります。

落ち着いて考えている時間はありません。

そうなると..
現場での「気づき」を書き溜めることができません。

後でまとめよう
と先送りしているうちに日がたちます。
面倒になってしまいます。

書くと言うことは、
考えて言葉で表現すると言うことです。
 ・何を書こうか
 ・どう書こうか
 ・上手く表現したい
と、ああでもないこうでもないと悩みます。

単なるメモでも役に立つのですが
ほかの人の役に立つものを書こうとすると
かなり厄介です。

現場での
 ・仕事のやり方
 ・細かな手順
 ・起こった出来事
 ・気がついたこと
 ・どうやれば改善できるのか?
頭の中で繰り返し考えることになります。

ああでもない、こうでもないと
いきつ、もどりつ悩むことで
問題点や改善点が、だんだんと見えてきます。
でも、時間がかかります。

現場で気づいてことを
ほかの人の役に立つ
「現場の知恵」にまとめるということは
決まった形式の報告書を効率的に書くのとは違います。

事実をもとにして、
自分の意見をまとめる作業です。
外から見ただけでは
 ・まとまらない時間
 ・何も生みだしていない時間
というように感じられてしまいます。

でも、この時間が無いと、
現場で得たちょっとした「気づき」を
次に使える「現場の知恵」として
書出し高めることができません。

紙に書き出さないので
 ・他の人に伝えることが難しくなります
 ・他の人に試してもらいにくいので
 ・再現性を検証することができません
 ・バージョンアップすることができません
 ・会社に積上げることができません
全て個人の頭の中にあるだけです。

これでは、会社に「現場の知恵」が残りません!

その結果、
優秀な人が辞めると、その人の頭の中にある
「現場の知恵」が無くなってしまいます。

会社にとっては大きな痛手です。

「現場の知恵」を組織として蓄積していなので
新人を採用しても計画的に教えることができません。
現場に入れてOJTと言って中間管理職に丸投げです。
成長までに長い時間がかかります。

そんな会社の社長は、10年たっても、20年たっても
「優秀な人が欲しい」と言い続けることになります。

そこで「優秀の定義」を聞くと
何もありません。
要するに
 ・何も教えなくても
 ・自分で考えて
 ・社長の時々に変化する要求に応える
 ・不平や不満を言わない人
というようです。

そんな人、ハローワークから採用できません。
いません。

そして、10年たっても、20年たっても
「優秀な人が欲しい」と言い続けることになります。
進歩がありません。